西表島で遊ぶ方へ「レプトスピラ症」について 2018年6月15日
こんにちは!ガイドの星です☆
梅雨真っただ中の西表島ですが気温は30℃を超える日が多く、川遊びも快適に行える季節になりました。
いよいよ多くのお客様にお越しいただく夏休みが迫ってきていますが、西表島を訪れる皆さんに知っておいてほしいことがあります。
それは、山や川に潜む感染症のレプトスピラ症です。
◆レプトスピラ症とは?
初耳の方も多いかと思いますが、西表島に限らず山や川でのアウトドア大好きな方に知っておいてほしいのが「レプトスピラ症」です。
感染者が増える夏を前に、西表島では予防と対策を兼ねて毎年この時期に研修会が開かれます。
身体が資本である僕たちガイドにとって、レプトスピラ症は本当に本当に身近な感染症なので、先日行われた研修会には風車のガイド全員で参加してきました。
シーズン前の良い機会なので、今日は(も?)この感染症について真面目にお伝えしたいと思います。
◆まずは概要
- 見た目からレプト(細い)+スピラ(螺旋)=レプトスピラ
- ネズミなどの野生動物の腎臓に定着
- 保菌動物の尿で汚染された水や土壌から感染
- 湿った土壌の中で数か月は生存
- 発症は初夏から秋にかけて多い
- 国内では年間20~30例の報告
- 沖縄(特に本島北部と八重山)での発症が多い
- 38℃越の発熱、頭痛、筋肉痛、等
- 潜伏期間は3~14日
- 観光客が旅行を終えて沖縄を出てからの発症例もある
2017年の推定感染地域を見ると、沖縄県内において86%(19人)が八重山で感染し、その中の12人が西表島で感染しているというデータが発表されています。
西表島は一年を通して高温多湿な亜熱帯地域であり、山や河川も豊富という地理的条件も感染率を上げる理由になってしまっています。
沖縄以外でも東南アジアや中南米など、やはり気温も湿度も高い地域での感染が多くみられるそうです。
私たちガイドの職場はまさに山や川であり、一番身近な場所にレプトスピラ症が潜んでいるのです。
◆感染すると…症状は?
- 発熱
- 頭痛
- 結膜充血
- 悪寒
まるでインフルエンザのような症状ですが、微熱が一週間ほど続いてから高熱を出す方もいるそうです。
感染者は外での活動を主としているケースがほとんどで、ネイチャーガイド、農家、建設業の方々が感染してしまう傾向にあります。
◆観光で来る人は心配無用?
感染者のほとんどは現地のガイドや農家さんがほとんどですが、過去には観光客の感染も報告されています。
過去に報告された例でいうと、
“八重山で観光(川でのレジャー)をした後、地元(沖縄県外)に戻ると発熱等の症状がでました。しかし、ツアー中にガイドさんからレプトスピラの説明を聞いていたので病院ではすぐに診断がつきました。”
この様に、観光で来られる方の感染も皆無ではありません。
今回の研修は私たちガイドの健康被害対策のためはもちろん、ガイドが仕事をする中で沖縄以外では認知度の低いレプトスピラ症に関する知識を、観光客に普及させるためのものでもあります。
過去の例のように、自宅に帰ってから発症したとしても、お客様自身が「レプトスピラ症かも!?」と感じることで感染症の早期発見、治療が可能になります。
◆感染を予防するための対策
感染経路は汚染された土壌や河川に接触した際、傷ついた皮膚や粘膜から菌が体内に侵入します。
ということは、
- 肌の露出を控えケガをしないようにする
- 皮膚に傷がある場合、体調が悪い場合は川へ入らない
- 素足で長時間、水田や川への入水を控える
- ネズミなど野生動物との素手での接触は避ける
- 川の水はそのまま飲まない
- 川や池で遊んだ後は石けんを使い手洗いやシャワーをする
西表島に観光で来られた方がレプトスピラ症に罹患する確率は極めて低いので過度な心配は無用です。
しかし、一週間の休みを取るために徹夜続きで仕事を終えてきた!とか、病み上がりで体力が落ちている… とか、ケガが治ってないけど川で泳いじゃえ!なんて方は要注意です。
私たちガイドは夏に多くのお客様を万全な状態でお迎えできるよう、これからの季節、体調管理には一層気を付けていきます。
ツアーに参加される皆さんも、特にツアー前日は早めに寝て朝ごはんをしっかり食べ、万全な状態で遊びに来てくださいね!