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西表島の日常をちょっとだけ…台風前の一コマ 2015年7月12日
みなさん、こんにちは!
心配された台風9号でしたが、ここ西表島では大きな被害もなく、恵みの雨と束の間の休息をもたらしてくれた程よい台風でした。
◆恒例の台風対策
恒例の台風対策も今年は6名のスタッフ総出で行ったので短時間で済みました。カヌーが飛ばされないようロープで固定したり、外に置いてある物を一つ残らず屋内へ保管したり、重たい木戸を窓に取り付けたり…。
ところが、人間にとっては重要な台風対策の片付けですが、野性生物にとっては何とも迷惑な場合もあるようです。
数カ月ほど置いたままになっていた板を持ち上げると、その下からサキシマハブが出てきました。気持ち良く昼寝の最中だったのか、迷惑そうにゆっくり茂みへ逃げていきました。
◆風車伝統の…!?
アレもコレもといろいろある台風対策ですが、中でも一番盛り上がるのが新人スタッフによる業務用車両の避難です。
一番風の当たらない場所にある建物の壁ギリギリに一代目のハイエースを駐車し、その隣に10センチ隙間を空けてもう一台のハイエースを停めます。こうすることにより暴風による被害を最小限に防ぐのです。
今回は新人スタッフの浅野と鈴木による駐車でしたが、二人とも非常に落ち着いたハンドルさばきで100点満点の出来を見せてくれました!
この風車伝統のギリギリ駐車を最後に、台風対策は終了となり台風休みに入ります。
◆夜の訪問者
次第に大きくなる雨風の音を聞きながら家族団らんのひと時を過ごしていると、スタッフから連絡が入りました。
「コノハズクを保護しました。飛べないみたいです。」
スタッフが道路にうずくまっていたコノハズクを発見し、車に轢かれては大変だと保護しました。
見る限り目つきもしっかりして元気そうですが、本当に飛んで行く気配は無さそうです。骨折や出血の痕は見られないのでしばらく様子を見ることにしました。
西表島では野鳥が建物の窓に激突して脳震とうを起こしたり、運が悪ければ首の骨を折って死んでしまうことがよくあります。
窓ガラスに映った木や山の景色が本物の自然と区別がつかなく衝突してしまうのです。
しばらくしても飛び立つ様子が無さそうなので、西表野生生物保護センターへ電話連絡して指示を仰ぐことにしました。
すると「近くに親鳥がいるかもしれないので元の場所へ戻すのが良い」との回答をいただいたので、保護した場所の安全な所へそっと置いてあげました。
次の日の朝、昨夜の場所を確認しに行くとコノハズクの姿はありませんでした。きっと親子仲良く西表島のジャングルへ無事かえっていったことでしょうね。
◆西表島を旅行中に傷ついた野生生物に出会ったら…
野生生物の宝庫、西表島。島に暮らす住民に限らず、観光客の皆さんも旅行中は野生生物に出会う機会が多いことでしょう。
西表野生生物保護センターのホームページには、イリオモテヤマネコをはじめとする島内の野生生物に関する情報がたくさん載っています。ご旅行前に一度ご覧になると良い勉強になりますよ。
もし、西表島を訪れてドライブや夜の散歩などの最中にケガや病気で弱っている野生生物を見つけたら、下記までお電話をおかけになって、ぜひ保護活動にご協力ください。
《24時間受付》ヤマネコ緊急ダイヤル
0980-85-5581