目標20億!観光業の未来はどうなるの? 2024年1月26日
こんにちは!
西表島風車のしゅうさんです。
昨夜、竹富町が新たに導入しようとしている訪問税(仮称)についての住民説明会がありました。「訪問税って何?」という方、まずはこちらをご覧ください。
◆竹富町の説明を簡単にまとめると…
- 竹富町は観光客のために毎年約10億円を税金から支出している(ゴミ、上下水道使用、道路整備、Wi-Fi整備)
- 観光客が増えると支出も増えるが税収入は増えない
- 今後、持続的な行政サービスをするには毎年20億円は必要
- 竹富町の島々に入る観光客から1人あたり2,000円ほど徴収したい(年間観光客100万人×2,000円=20億円)
◆住民からの意見
- 「2,000円は高い」という声が多い中「もっと強気でもいいのでは?」という方も
- 進学で島を離れた子供も課税対象か?
- 仕事や地域行事のため島に入る人も課税対象か?
などなど、様々な状況を想定した意見が挙げられました。
概ね、住民のほとんどは“竹富町の自主財源が乏しい”という現状を理解し、訪問税の導入については賛成の様子で反対意見は出ませんでした。
◆訪問税2,000円導入でどうなるの?
今回、指導的立場である税金学者の先生が作成された資料に以下の一文がありました。
このブログは当店が存続する限りネット上に残りますが、上記のご意見の答え合わせは導入された5年後くらいに分かると思います。制度の見直しが5年毎らしいので…
◆しゅうさんの疑問
“観光客が増えれば竹富町が支出するお金も増える”
その理屈はわかるのですが、では実際に観光客が増えるとどのくらい支出が増えるのか?
竹富町の回答は“観光客100万人は住民1,400人に匹敵”とのことです。
なぜなら、竹富町の見立てでは住民と観光客が町の予算を使用する割合は、住民67%、観光客33%と考えている。その算出根拠は観光客の総滞在時間と住民の総滞在時間から割り出している。とのことでした。
令和5年12月末の竹富町の人口は4,247人なので、その33%の約1,400人の観光客分を含めた予算を立てているそうです。観光客の総滞在時間をどのように測定したのかがよく分からないため、そもそもこの数字が正しいのかも分かりませんでした。
◆税金の使いみち、大丈夫?
“Wi-Fi整備に5年間で1億5,200万円”
これだけのお金を観光客分として使ったそうです。総額のうち33%でこの金額…ちょっと驚きでした。
→ 竹富町のWi-Fiが使えるエリア
ちなみに令和3年の予算では観光客が排出するごみや排水の処理に4億4,700万を計上しました。
令和3年といえば西暦2021年。コロナ禍の影響で観光客が激減した年です。その年の入域者数は395,204人なので一人あたり1,131円。
竹富町が観光客一人当たりどのくらいの滞在として算出しているのか分かりませんが、私個人の実感としては、それほど多くゴミなどを排出しているイメージはありません。
→ 竹富町入域客数
◆何でもかんでも観光客を理由にするのは反対
今回の説明会では、
「観光客が増えても行政サービスが追い付かない。町が持続的な発展をするには観光客にも一部(33%)を負担していただく必要がある。」
と繰り返し説明されていました。確かにその理屈は理解できます。
しかし、
「観光客が増えると竹富町の支出も増大する。しかし収入は一切増えない。」
と決めつけるのは反対です。
観光客が増えても竹富町の収入は一切増えないのでしょうか?
観光業者にとってたくさんの観光客が来島されることはありがたいことです。
観光業者が利益を出せば個人、法人からの住民税も増えます。島には多くのレンタカーが走っていますが多くは軽自動車で、軽自動車税は竹富町に納めています。観光業者が事務所を建てたら町に固定資産税を納めます。
それでも足りない支出はどうするか?
それを観光客に負担してもらうだけでなく、そもそも税金の無駄遣いはないのか?
そこも併せて検討してほしいです。
◆西表島世界遺産センター整備基本計画
竹富町は西表島に世界自然遺産センターなるものをつくる予定です。
これをつくるには大きなお金が必要。完成したら維持費も必要。何十年か経って最終的に解体するにもお金が必要です。
竹富町は年間100万人の観光客が来ることを前提に様々な取り組みをしていますが、私は常日頃から観光業はそんなに甘くはないと思っています。元日の石川県での大地震を見て、あらためてその思いが強くなりました。
自主財源が増えたから箱物を増やし、できなかった新しいサービスをするという発想だけでなく、台風や地震などに備えた防災にも力を入れてほしいです。
特に台風時でも停電しない町になれば(最近は好天の日でもチョコチョコ停電しますが…)、住民も夏場に島を訪れる観光客もありがたいのではないでしょうか。
以上、しゅうさんの思う訪問税に関する報告でした。