竹富町の訪問税(仮称)について考える 2024年1月22日
こんにちは!
西表島風車のしゅうさんです。
ここ最近、西表島の観光業者では昨年から竹富町が始めようとしている「訪問税」について話をする機会が増えてきました。
内容はというと、石垣島から竹富町の島々にフェリーを利用する際に税金が徴収されるそうです。2024年3月の議会に条例案を提出する流れだとか…。
▼竹富町の訪問税に関するニュース
→ OTV沖縄テレビ
→ 八重山毎日新聞
◆広島県「宮島」の場合
ちなみに全国では広島県にある日本三景の一つ、宮島でも「宮島訪問税」が導入されているそうです。
→ 宮島訪問税の概要 廿日市市HPより
一回の訪問で税額は100円。これまで宮島へ行くためのフェリー代は往復で400円かかりましたが、訪問税100円の徴収が始まり500円となりました。
400円から500円へ。しゅうさん個人の感想としては、とてもリーズナブルで特に違和感は感じません。
◆我が町、竹富町の場合
今回、竹富町が検討している税額は2,000円です。
2024年1月現在、石垣島から一番近い竹富島までのフェリー代は往復で1,520円、一番遠い波照間島にいたっては7,830円かかります。
そこへ訪問税2,000円の徴収が実現すると、竹富島は3,520円、波照間島は9,830円も費用をかけなければ石垣島から往復できないのです。
これでは「石垣島に滞在しながら竹富町の島々をアイランドホッピングしよう!」という観光客は減ってしまうのではないでしょうか。石垣島に住んでいる方も気軽に離島へ遊びに行けなくなりそうです…。
そして、ここからは悪い予想ですが…
もしも訪問税の導入を石垣市も始めたら、竹富町の島々を訪ねるには石垣島を経由するしかないので2つの自治体に納税することになります。私たち竹富町民も石垣島へ通院や買い出しなどの所要で出かける度に税金を納めなければなりません。
まだ石垣市で訪問税を始めるという話は聞いていませんが、そのような状況にならないことを強く願います。
◆沖縄県「宿泊税」の導入を検討
ちなみに沖縄県では「宿泊税」の導入を検討しているそうです。
→ 沖縄県が「宿泊税」導入へ 琉球新報より
コロナ禍前は竹富町の入域者数は年間100万人を超えていました。
現在、竹富町はコロナ禍以前の水準に戻る、さらにはコロナ禍以前よりもさらに観光客が増えてオーバーツーリズムになる可能性があることを前提に議論が進んでいるように思えます。
しかし、観光業を25年以上している身として思うことは“いい時もあれば悪い時もある”です。
観光業は政治や経済の影響を受けやすいし、特に沖縄は繁忙期に台風が何度も襲来するエリアです。一つの台風で売上が大きく下がるリスクを常に抱えています。このまま順調にコロナ禍前の賑わいを取り戻すのか…正直、疑問です。
◆買い手市場の西表島アクティビティ業界
現在、西表島にはアクティビティ関連の同業者が115社以上あります。
→ 竹富町観光案内人事業者一覧
アクティビティ事業者は年々増加する一方です。今後、訪問税導入が原因で入域者数が減少した場合はかなり厳しい経営環境が予想されます。
訪問税についての条例は5年に一度見直しをするそうですが、5年間も様子を見るのは長すぎると思います。
◆竹富町が掲げる「責任ある観光」
竹富町が発する竹富町観光振興基本計画の施策方針には、以下の4つの方針が掲げられています。
- 「責任ある観光」の構築
- 観光による経済波及効果の増幅
- 観光と、自然・暮らしとの両立の推進
- 観光の観点から見た町内全般の課題解決
各島々では訪問税導入に向けての住民説明会が開催されつつあります。しゅうさんも必ず参加し、不安や疑問に思うことはどんどん質問していきたいと思います。
竹富町が掲げる施策方針が今後どこまで推進されるのか…。竹富町内外を問わず、多くの方々に注目していただけたらと思います。