奇跡のツアーコース
人工物が一切無く、船のエンジン音も聞こえることのないマングローブカヌー。亜熱帯特有のサガリバナやサキシマスオウノキ群落、息をのむような滝上からの絶景、そして滝つぼでの癒し。
全行程約７時間の中でここまで西表島の魅力が凝縮されているのはピナイサーラの滝だけ。全国的に見ても非常に質の高いアウトドア・アクティビティが体験できるフィールドです。
初めて西表島へ来られた方が最初に訪れるべきポイント、ここだけは外せないポイントといっても過言ではありません。また、ピナイサーラの滝へ行くコースに特別な技術はいりません。必要なのは人並みの体力と西表島の大自然を知りたいという好奇心だけあれば十分です。
風車のガイドは無用なお喋りはいたしません。大きな声も出しません。ジャングルを吹く風、静かに流れる川、さえずる鳥たち、荘厳な滝の姿。それらに心を寄せ、五感をフルに働かせて大自然の息吹を感じることが一番大切です。亜熱帯ジャングルのむせ返るほどの生命力があなたにとって最高のガイドをしてくれるでしょう。
パドリング講習を終えたらカヌー乗り場へ歩いて移動します。
冒険はすでにスタート！
徒歩10分の道のりですが、パイナップルのような実をつけるアダンの木、初夏の夜に咲いて朝に散るサガリバナ群落、アリ塚のようなオキナワアナジャコの巣、水辺でピョンピョン跳ねる愛嬌のあるミナミトビハゼなど、ジャングルに棲む生き物たちがお出迎えしてくれます。
カメラの電源はオンのままですよ！
マングローブに囲まれたマーレー川の中流からエントリーします。
曲がりくねった川を漕ぎ進むと下流の河口付近でヒナイ川と合流します。その後は進路を変え、ピナイサーラの滝があるヒナイ川の上流へ向かいます。川の流れは緩やかなので上流に向かって漕いでも楽に進むことができます。
カヌーは風の影響をとても受けやすい乗り物です。
しかし、マーレー川とヒナイ川は周りを囲むように生えているマングローブが風を遮ってくれるので、風の影響でツアーが中止になることはほとんどありません。
マーレー川とヒナイ川の河口付近は干潮時には広大な干潟が出現します。
手を伸ばせば川底に触れるほど水位は下がりますが、浅い川でもスイスイ進めるのがカヌーの強み。
干潟を見つけたら上陸してマングローブや干潟の生き物を観察してみましょう。
ちなみに、満潮時には普段は入れないマングローブの森に進入して木陰で一休み。そこはまるで大自然の迷路！
これこそマングローブカヌーの醍醐味です。
マングローブカヌーの最中、誰もが漕ぐ手を休めるポイントがあります。それは蛇行を繰り返しながら漕ぎ進み、大きなカーブを曲がると突如現れる“ピナイサーラの滝”が見えた瞬間です。
特に、午前中であれば太陽の光がピナイサーラの滝を鮮やかに照らして素晴らしい演出をしてくれます。
滝をバックに記念写真を撮ったり、目指すピナイサーラの滝の雄大さに圧倒されたり、この先に待ち受ける感動に期待が膨らみます。
そしてマングローブカヌーの往路はゴール！
滝の上へは約50分のジャングルトレッキングで向かいます。
根っこが波打つ板状になっているサキシマスオウノキ群落を通りすぎたら、ガイドが西表島の動植物や暮らしぶりなどご案内しながら山道をのんびり歩きます。
お客さまのペースを優先して進みますので、途中で登り疲れたら休憩しましょう。
ただし、夏場のジャングルはサウナの様にとても蒸し暑いです。こまめな水分補給や通気性の良い服装など熱中症対策を怠らないようにしましょう。
海が見えるポイントを過ぎたらゴールはすぐそこです！
やっとの思いで到着した滝上ですが、記念写真を撮る前に、まずはガイドから注意事項の説明があります。
滝上では転落防止の柵などの人工物は一切設置されていないので転落の危険性があります。足下も滑りやすくなっていますので、川の水が流れ落ちる崖のギリギリまで近づくことは絶対にお止めください。
落差55メートルの大きな滝。もしも落ちたら…考えただけでもゾッとします。登り切った開放感で気が緩むと取り返しのつかない危険へつながる事もあります。
はしゃがず静かな気持ちで過ごしましょう。
遠く広がる青い海には瑠璃の島「鳩間島」、サンゴのかけらでできた「バラス島」、無人島の「鳩離島」が一望でき、眼下にはマングローブの生い茂るジャングルを縫うように流れるヒナイ川が一望できます。太古のままの姿を映し出す大自然に感動の思いを馳せるひと時です。
さあ、絶景で心を満たしたら次はお腹も満たしましょう。頂上までガイドが背負ってきた大きく重たいリュックの中には、わくわくランチの食材と調理器具が入ってます。
ガイドの現地調理によるわくわくランチを
ぜひともご賞味ください！
ランチを終えたら滝つぼを目指して再出発します。
カヌーを降りた場所まで引き返し、そこから先へ約20分のジャングルトレッキングで滝つぼに到着します。
山を下りるだけだから楽なはず…と思いきや、いやいや意外にハードです。ここまでカヌーで上半身を、トレッキングで下半身を動かし続けてきた疲労感からでしょうか？
水が流れ落ちる音が聞こえてきたらピナイサーラの
滝まであとひと踏んばりです。がんばろう！
疲れがピークに達した頃、激しい水音と共にピナイサーラの滝の出現です。今までの苦労が吹き飛ぶほどの達成感に満たされます。
夏場であればそのまま滝つぼに飛び込みたくなるほど身体が熱くなっていますが、必ずライフジャケットを着たまま入りましょう。
滝つぼにプカプカ浮かんで滝を見上げていると、大自然の一部になったような寛大な気持ちが湧き上がってきます。日頃のストレスを優しく癒やすピナイサーラの滝です。
ほとばしるマイナスイオンをたっぷり浴びて元気満タンになったら、同じルートをたどって帰路につきましょう。朝からの出来事を思い返しながらカヌーを漕げば、今朝までとは少し違った自分に気づくはずです。
今まで知らなかったジャングルの景色、日本にもこんな場所があるんだという感動、そんな思い出が日常生活に戻ったあなたに活力を与え続けてくれるでしょう。そんな不思議な力を秘めているのがピナイサーラの滝です。
