こんにちは。ガイドの星です☆
去る1月13日〜1月15日の3日間、西表島カヌー組合主催のガイド向け講習会に参加してきました。西表島におけるアクティビティツアーの現状や今後の課題などを話し合う、とても内容の濃い講習会でした。また、世界自然遺産の屋久島で活躍されているプロガイドの渡邊太郎氏にもお越しいただき、世界遺産候補地としての西表島が進むべき道しるべについてもお話しいただきました。
◆講習会1日目
初日は環境省による西表野生生物保護センターのバックグラウンドツアー。
イリオモテヤマネコ保護に関する環境省の取り組みや、普段立ち入ることのできないバックヤード(事故による怪我などで保護された野生生物の治療室や野外ケージなど)の視察など、興味深いものばかりでした。
- ヤマネコなどの野生生物が負傷した際に運び込まれる診察室や手術台の見学
- 治療が必要な野生生物が野生復帰を果たすまでの過程について
- ヤマネコの個体数を確認するための新たな調査の開始
- ロードキル(交通事故)防止のための取組みや課題
などなど、ツアーのゲストからほぼ毎回聞かれる「イリオモテヤマネコ」について、知っているようで知らない事をたくさん教えていただき、野生生物保護に対する考えがより一層深まりました。
今後、西表島に遊びに来る観光客の皆さんへイリオモテヤマネコの生態や生物保護の重要性についてより詳しく、より分かりやすく伝えていきたいと思います。
◆講習会2日目
2日目はフィールドの管理および保全、現状と今後の課題を話し合うための事前視察です。
まずは実際にピナイサーラの滝へ行き、危険箇所や保全、管理が必要だと思われるポイントをリストアップしていきます。
今年一番であろう晴天に恵まれ、講習生全員リラックスムードでジャングルを歩きます。ベテラン、若手関係なく建設的な意見を出し合えた良い時間でした。
◆講習会3日目
最終日は、前日の視察であぶり出された議題について、皆で詳しく話し合いました。中でも特に印象に残ったのは負傷者などの要救助者が出た場合のフィールドでの救助方法、体制についてです。
これまで西表島カヌー組合では救助者を担架で運搬してきましたが、果たして急斜面の多いトレッキングルートにこの方法は適してるのか? という疑問に対し、屋久島でガイドをされている渡邊さんからは「簡易的な持ち運びやすいハーネスを自作しています」といったお話しがありました。
それをヒントに「重い担架ではなく警察が使う遺体袋などを使うのはどうか」など、様々な意見によって改善の余地が生まれました。
他にも救助活動をスムーズに行うための連絡体制の強化についてなど、今回の講習会がきっかけで新たな取り組みが増え、今後、西表島カヌー組合の安全対策がより良いものになると感じるとともに、風車のツアーにも今回得た知識を活かし、今まで以上に安全度の高いガイドをしていきたいと思いました。
屋久島の山岳ガイドである渡邊さんからの目線、講習生である西表島のガイドからの目線。
双方、様々な意見や質問が挙げられ、西表島のフィールド管理や保全、ツアーの安全に関することはもちろん、西表島カヌー組合やそれ以外の西表島全体の業者が今後どうあるべきかなど、深くまで入り込んだ内容の濃い話し合いでした。
◆講習会を振り返って
普段、ツアーで最も行くことの多いピナイサーラの滝ですが、今回の講習会を通して、自分自身では気が付かなかったフィールドの課題や改善点も多く、より安全やフィールド管理に対する意識が強くなりました。
特に渡邊さんによる屋久島での取り組みや課題に関するお話は、世界自然遺産登録を目指す西表島のガイドにとっては具体的なモデルとなり、とても役に立つ内容ばかりでした。
何より今回は渡邊さんをはじめ、環境省、竹富町、沖縄県の職員の方にもお越しいただき、西表島カヌー組合のメンバーも含めた全員が一体となって西表島の将来について話し合う場に参加できたことが、僕自身にとって貴重な経験となりました。
今回の講習会で学んだことを活かし、ゲストの方たちに来る前よりも西表島を好きになってお帰りいただけるようなガイドができたらいいな。と思います!